字夢のノート(공책)/日本語の勉強屋

企業は「多様な正社員」の活用を競え

자몽미소 2014. 7. 21. 16:50

企業は「多様な正社員」の活用を競え

2014/7/18付
ニュースソース
日本経済新聞 朝刊

 政府は成長戦略で、勤務地や職務内容が限られたり、労働時間が短かったりする正社員の普及を掲げている。女性の活用や非正規社員の雇用の安定に役立つためだ。

 厚生労働省の有識者懇談会は企業向けに、こうした多様な形態の正社員を導入する際に留意すべき点を報告書にまとめた。勤務地限定などがない正社員と処遇面の均衡をはかり、そうした一般の正社員への転換に道を開くことなどを挙げている。

 問われるのは企業の取り組みだ。働く人にとって使いやすく、仕事への意欲を高められるかどうかは個々の企業の工夫次第だ。「多様な正社員」の制度づくりを各社は競ってほしい。

 勤務地限定や短時間勤務などの正社員は「限定正社員」とも呼ばれる。一般の正社員ほどの待遇ではなくても非正規社員に比べて雇用は安定し、賃金増も見込みやすい。子育て中の人や介護のため働ける地域や時間に制約のある人も正社員として勤めやすくなる。

 企業にとっての利点も多い。非正規社員の正社員登用を進めるときの受け皿になる。短時間正社員の導入は長時間労働になりがちなこれまでの正社員のあり方を見直すきっかけになる。

 すでに多様な正社員の制度を設けている企業では今後導入する企業の参考になる例がある。1日の勤務時間を4時間または6時間とする制度がある衣料品製造販売大手のクロスカンパニー(岡山市)は、これら短時間正社員と一般の正社員で人事評価の仕組みを共通にしている。短時間正社員も昇進昇格が不利にならない。6時間正社員から女性の課長が出ている。

 インキ最大手のDICは勤務地限定の社員でも管理職に登用できるようにした。現在、部課長で勤務地限定の人が8人いる。能力のある人を適切に処遇することを企業は求められよう。

 勤務地や職務が限定された正社員は雇用保障が緩いとする声がある。しかし有識者懇談会の報告書は裁判例をもとに、事業所が閉鎖されたり、その職務がなくなったりした場合でも、企業はただちに解雇できるわけではないと明記した。配置転換による雇用継続の努力が必要になるとしている。

 多様な正社員についても企業は雇用責任があることを自覚し、彼らの力を引き出して企業活動に貢献してもらう制度づくりに知恵を絞るべきだ。